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特集

特集|2024.08.26

東京カメラ部10選の写真家が旅する箱根の絶景スポット

ISSUE

梅雨明けとともに訪れた箱根は夏の日差しを浴びて輝きを増し、美しい景色を求め、カメラを手に旅に出ました。芦ノ湖の雄大な景色、神秘的な雰囲気が漂う場所、自然など、箱根はさまざまな魅力を見せてくれます。飽きることなくシャッターを切り続け、その一瞬一瞬を写真に収めました。交通網が整備されているので、移動もスムーズ。自然の美しさだけでなく、歴史や文化を感じられるのも箱根の魅力です。箱根での時間は、私にとってかけがえのない宝物となりました。






東京カメラ部




ファン総数560万人、投稿数5,000万作品以上。年間延べ閲覧者数は、約11億人を誇る日本最大級の写真好きコミュニティ「東京カメラ部」。公式アカウントでは「#東京カメラ部」「#tokyocameraclub」をつけていただいた投稿をご紹介しています。

東京カメラ部10選とは

毎年1月〜12月に公式アカウントでシェアした作品の中で「いいね!」「コメント」「シェア」などの結果に基づき、各カテゴリー別に選出されます。平成24(2012)年に「東京カメラ部10選2012」以来、現在までに100人以上の「東京カメラ部10選」の写真家がいらっしゃいます。




八木千賀子 −YAGI CHIKAKO−




八木千賀子さん

八木千賀子 愛知県出身・山梨県在住。生後すぐ左目失明するもカメラに出会い風景写真家へ。東京カメラ部2013年10選。キヤノンプレゼンツ【The Photographers3】に出演。辰野清氏に師事。カメラ雑誌、書籍など執筆や講師として活動。八丈島ふるさと観光大使。

千条の滝

千条の滝

箱根の奥深くにひっそりと佇む千条の滝は、高さ3mの規模ながら幅25mと横に広く、繊細な水流が苔むした岩肌を流れ落ちる様が美しい景勝地です。

千条の滝

箱根登山線の小涌谷駅前から歩いて20分ほどとアクセスもよく、水量は多くないものの横に広がる滝は白糸のように幾筋も流れており、見ているだけでも涼し気です。

SPOT千条の滝

  • アクセス :箱根湯本駅から箱根登山バス約19分「蓬莱園」バス停下車、徒歩約7分
  • 住所   :足柄下郡箱根町小涌谷507[Google Maps]
  • 公式サイト:https://www.hakone.or.jp/528(観光協会)

撮影のポイント

滝を撮影する時は、低速シャッターで水の流れを表現する方法があります。

シャッタースピードを低速にすると、水の流れが良い意味でぶれて、絹のような滑らかな状態で写ります。そうすることで苔の緑と絹のような滝が対比され、美しく表現できます。

低速シャッターで撮影するときは、三脚が必須になります。滝の横には渓流が流れており、そちらも低速シャッターで撮影することで滑らかに表現することができます。

滝や渓流を滑らかに撮影するのであればNDフィルターを使用するのがおすすめです。

旧東海道の石畳・杉並木

旧東海道の石畳

石畳の道や樹齢数百年の巨木が立ち並ぶ杉並木など、江戸時代の面影を残す貴重な場所が箱根旧街道です。歩いていると、まるでタイムスリップしたような感覚を味わいました。

旧東海道の杉並木

山々に囲まれた美しい景色も堪能でき、特に樹齢数百年の巨木が織りなすトンネルのような神秘的な空間は圧巻です。江戸時代の旅人たちが歩いた道を歩いていると思うと、感慨深い気持ちになります。

SPOT旧街道杉並木

  • アクセス :箱根湯本駅から箱根登山バスで約33分「箱根支所前」バス停下車すぐ
  • 住所   :神奈川県足柄下郡箱根町元箱根[Google Maps]
  • 公式サイト:https://www.hakone.or.jp/520(観光協会)

撮影のポイント

撮影には、樹々に囲まれているため光量が少ないことに注意が必要です。

シャッタースピードが遅くなり手ブレしやすいので、三脚の使用がおすすめです。三脚がない場合は、ISO感度を上げることでシャッタースピードを上げることができますが、上げすぎるとノイズが増えてしまうので、ISO800~1600程度に抑えるのが良いでしょう。

早朝や夕方の時間帯は光が柔らかく、幻想的でタイムスリップしたような雰囲気を撮影できます。また、雨上がりや霧の朝は、石畳や杉並木が一層美しくなります。

箱根元宮

天空の社殿

箱根元宮は、駒ヶ岳ロープウェイで7分と気軽に標高1,356mの山頂まで登ることができ、そこには美しい朱塗りの鳥居と箱根元宮の社殿が青空に映えていました。

山頂付近

山頂付近は高い樹木がなく草原が広がっており、青空と緑の草原に朱塗りの鳥居がとてもよく映えています。「天空の社殿」とも呼ばれ、空が近く、まるで空に浮かんでいるようでした。

SPOT箱根元宮

  • アクセス :箱根 駒ヶ岳ロープウェー 駒ヶ岳頂上駅から徒歩8分
  • 住所   :神奈川県足柄下郡箱根町元箱根 駒ヶ岳山頂[Google Maps]
  • 電話   :0460-83-7123(箱根神社)
  • 公式サイト:https://hakonejinja.or.jp/(箱根神社)

撮影のポイント

風景を撮影する際、PLフィルターを使い空を青くすることがあります。

しかし、標高の高い山や空気の澄んだ場所では、PLフィルターの効果がかかりすぎてムラが出てしまうことがあります。その場合は、フィルターを外すことをおすすめします。

また、天気の良い日には富士山を裾野まで見渡すことができ、風景のワンポイントになります。

遊歩道にはロープがあり、ロープを越えての撮影は禁止されていますので、撮影に夢中になってロープを越えてしまったり、三脚をロープの外に立てないように注意が必要です。

神奈川県立恩賜箱根公園

湖畔展望館2階バルコニー

手入れの行き届いた美しい庭園が広がる恩賜箱根公園は、芦ノ湖や周辺の山々、富士山を一望できる絶景スポットです。

園内にはさまざまな樹木や花々が植えられており、四季折々の風景を楽しむことができます。

庭園

「湖畔展望館」の2階バルコニーは写真撮影にも最適で、離宮の歴史に思いを馳せながら、美しい庭と芦ノ湖、行き交う海賊船、そして雄大な富士山を一望できました。

SPOT神奈川県立恩賜箱根公園

  • アクセス :箱根湯本駅から箱根登山バス約33分「恩賜公園前」バス停下車すぐ
  • 住所   :神奈川県足柄下郡箱根町元箱根171[Google Maps]
  • 電話   :0460-83-7484
  • 営業時間 :入園自由・入園無料(湖畔展望館の開館時間は9:00~16:30)
  • 定休日  :なし(湖畔展望館は12月29日~1月3日のみ休館)
  • 公式サイト:https://www.kanagawa-park.or.jp/onsisite/

撮影のポイント

写真を撮影する際には、光の方向を意識してみましょう。

恩賜箱根公園から芦ノ湖は西側に位置しているので、午前中であれば太陽が後から当たります。これは「順光」と呼ばれ、全体が明るく、色がはっきり写るという特徴があります。

風景を撮影する際は、順光で撮影することで色鮮やかに表現することができます。

園内には生垣内など立ち入り禁止エリアがありますので、立ち入り禁止エリアには入らないように注意してください。また、他の来園者の方の迷惑にならないよう、撮影の際には十分配慮するようにしましょう。

箱根の乗り物と風景

箱根登山電車

箱根登山鉄道 大平台隧道前踏切付近

箱根海賊船

元箱根港付近

箱根は、電車やバスだけではなく、ケーブルカー、ロープウェイ、海賊船など、さまざまな種類の公共交通機関が、訪れる人々をわくわくさせてくれます。運行本数も多く、箱根フリーパスでお得に旅をすることもできます。

撮影のポイント

これらの乗り物は、箱根の旅の重要な要素であり、旅の思い出を彩る写真としても最適です。

ズームレンズを手に、広い空の下を走る乗り物を遠くに小さく、あるいはアップで切り取ってみましょう。

ケーブルカーやロープウェイに乗って、山々の絶景を眺めながら、シャッターを切るのもおすすめです。

鉄道などの乗り物を撮影する際には、立ち入り禁止場所や私有地には入らず、安全な場所でルールを守って撮影しましょう。他の撮影者と譲り合い、マナーを守って撮影することも大切です。

走行中の列車に対するスピードライトの使用は厳禁で、ゴミは必ず持ち帰り、美しい景観を守りましょう。

箱根の旅で出会う心ときめく乗り物たちを、ぜひあなただけの作品に仕上げてください。

箱根ナビ編集部のまとめ

今回は、東京カメラ部10選の写真家、八木さんに箱根の絶景スポットを紹介していただきました。箱根には、雄大な自然を感じられる場所や富士山と芦ノ湖が一望できる場所など、魅力的な景色がたくさんあります。今回ご紹介した場所はもちろん、自分だけの撮影スポットを探しに旅に出かけてみてはいかがでしょうか。また、写真を撮らない方も、ぜひ絶景に癒されに箱根へ足を運んでみてください。



※令和6(2024)年8月26日時点の情報です。

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