春の芦ノ湖を楽しくクルージング! 新型海賊船「クイーン芦ノ湖」を徹底ガイド

クイーン芦ノ湖のデザインを手がけたのは、水戸岡鋭治（みとおかえいじ）氏。多くの旅客を魅了したＪＲ九州「ななつ星㏌九州」など、数々の列車をデザインしていることで知られています。居住空間作りに定評がある水戸岡氏によって、クイーン芦ノ湖は今までの海賊船が持つ優雅さに加え、心地よさのなかに豊かな時間と空間を演出しています。

これまでの海賊船は、イギリスやフランスなどの戦艦をモチーフにして、その迫力や豪華さを全面に押し出していました。今では「芦ノ湖といえば海賊船」と言われるほど、多くの観光客に認識されています。

今回、箱根海賊船の新たな試みとして、「クイーン芦ノ湖」が誕生しました。コンセプトは「心ときめくクルーズ」。乗客に心地よい時間と芦ノ湖の自然を感じてもらえるよう考えて、造られました。

外観もコンセプトにそって大きく変化しました。今までの海賊船でシンボルだった大砲が、クイーン芦ノ湖にはありません。乗る人の心地よさを求めた結果、「戦う船から平和を守る船」に変わり、船首に立つサモトラケのニケをモチーフとした女神像が女王の風格や優雅さを表現しています。

豪華絢爛な内装も、乗客にとっての心地よさを意識しています。船内の床、壁、天井、インテリアなどの素材には可能なかぎり木を使用して、温もりを感じられるようなあしらいに。なかでも、客室に設置された5種類の椅子は乗る人が船旅のテーマに合わせて楽しめるよう、それぞれ異なったデザインとなっていますので、乗船の際はお見逃しなく。

ディテールにもこだわりが光ります。インテリアには、中世ヨーロッパを彷彿とさせるクラシックな柄がほどこされ、歴代の海賊船に引けを取らない気品と贅沢を演出。建材とデザインが見事に融合され、注意深く観察しないと気づかない細かな仕事がほどこされています。

また、照明などには寄木細工や組子細工といった箱根の伝統工芸が、明治時代の和と洋が絶妙に溶け込んだモダニズムを漂わせます。

１階の一般席は、高級な質感があるウォールナット材が、古今東西のデザインで船内を埋め尽くし、まるで美術館のような空間をつくりだしています。

２階の特別船室では、くっきりとした木目が美しい米松や重厚感を漂わせるナラ材が優雅さを際立てます。黄金の壁を背に女王陛下の玉座を配したスポットは、記念写真にピッタリです。

デッキでは、他の海賊船より高い場所に造られた「見晴台」から、臨場感あふれる芦ノ湖の自然の美しさを享受できます。また、船首船尾には一人用お立ち台（ウォッチ台）があり、富士からそよぐ風を感じながら景色を眺められる特別席があります。

さらに、すべての人がクルージングをストレスなく楽しめるよう、１階からデッキにつながるエレベーターや障がい者用トイレなどの設置、車椅子の方でも移動しやすい通路などバリアフリー設計となっています。

小田急 山のホテル直営のデザートレストラン「プレミアムショップ＆サロン・ド・テ ロザージュ」では、クイーン芦ノ湖をモチーフとしたスイーツ『Bateau pirate ～海賊船～』を、４月１日（月）から提供しています。オレンジの皮が入ったチョコレートムースと、ミルクムースなどが中に入った筒形のチョコレートで船体を表現。薄いシガレットの裏に濃厚バニラアイスクリームが隠れている帆は、食感と口溶けをいっぺんに楽しむことができます。ホテルの庭園で春を感じながら、限定スイーツに舌鼓を打ってはいかがでしょうか。