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新しい感覚と昔ながらの感覚が同居する宮ノ下。明治や大正に建てられた建物が多く残る一方で、「NARAYA CAFE」のような若者に人気のスポットもあり、老若男女が楽しめる街として親しまれています。また、どこかノスタルジックな雰囲気が味わえる小径や路地裏が多いのも、この街の魅力のひとつです。今回は、国内外の多くの文人に愛された宮ノ下の散歩道をご紹介します。
箱根湯本駅から箱根登山電車の強羅行きに乗り込み、25分ほどで到着する宮ノ下駅は、急勾配の坂の上にあります。7月ころからは、線路沿いをあじさいが彩ります。改札を出ると、すぐに下り坂が広がります。坂の右手には、おしゃれな古民家カフェ「NARAYA CAFE」が、左手には「チャップリンの散歩道」の入り口が見えてきます。
「喜劇王」と呼ばれ人々から親しまれたチャールズ・チャップリンが、富士屋ホテルに宿泊した際に歩いたと言われる散歩道です。散歩道を進むと右手に現れる浅間公園(せんげんこうえん)でリフレッシュしたり、頭上を走る箱根登山電車を普段見ることのできない角度から見上げたりしながら、ゆっくり散策しましょう。
宮ノ下駅の改札を出ると、すぐに散歩道への入り口が見えてきます。浅間公園の看板が目印です。箱根登山電車の線路に沿って道がつづきます。
緑に囲まれた小径。晴れた日はもちろん、雨がぱらつく日も涼しくて気持ちいいです。
チャップリンの散歩道は、箱根登山電車の線路の脇を通ります。頭上を走る電車は、箱根の緑に囲まれて、どこかノスタルジックな雰囲気に。
散歩道の途中には、屋根付きのベンチがあります。足が疲れていたらすこし休みましょう。道の下には浅間公園が広がります。
チャップリンの散歩道の出口からすこし歩くと姿を見せる「宮ノ下熊野神社」。紀伊熊野三山のひとつ、主祭神・櫛御毛奴命(くしみけぬのみこと)をお祀りするお社で、温泉の守護神として創建されました。箱根七湯発祥の源泉が下にあります。背の高い杉の木に囲まれた風情のある神社ですので、チャップリンの散歩道を歩きついでに立ち寄ってみてはいかがでしょう。
セピア通りに面した1877年創業の「嶋写真館」。そのお店の脇を通る小径の奥にある石段を登ると宮ノ下熊野神社の社が姿を現します。
チャップリンの散歩道を散策して、歩き疲れたときに寄りたいのが「NARAYA CAFE」。足湯に浸かりながら、釜で焼いた手作りピザ(マルゲリータ1100 円/税込)やホットドック(430円/税込)を味わうことができます。店内は窓が多く、自然光が降り注ぎます。箱根の山々を眺めながらビール片手に旅の話で盛り上がりましょう。
明治時代の日本に38年間住んでいたイギリスの日本研究家バジル・ホール・チェンバレン。彼が箱根で過ごす際によく歩いていたとされる道です。早川を沿う山道を約40分ほど歩く散歩道は、吊り橋や滝など見どころ満載。旅情を抱きながら、箱根の大自然を堪能できます。
「セピア通り」と呼ばれる宮ノ下付近の国道一号線から、小さな坂道に入っていきます。「堂ヶ島渓谷入口」と書かれた白い看板が目印。
通称「デジャヴ坂」。同じ景色、同じ勾配の坂が何度もつづくことが、この坂の名前の由来です。早川のせせらぎが徐々に近づいてきます。
「デジャヴ坂」を抜け「夢想橋」を超えると、早川沿いに進む細い山道に。アップダウンの激しい道がつづきますが、涼しげな早川の水と新緑が疲れを忘れさせてくれます。
早川沿いに山道を進んでいくと、重量制限のある吊り橋が見えてきます。ギシギシという音を立てながら揺れる吊り橋に冒険心をくすぐられます。橋を渡れば、再び急勾配の坂道に。これを超えると散歩道の出口です。
箱根滞在中に位置情報を利用し、
周辺にあるスポットを見つけることができます。