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宮ノ下温泉が大きく脚光を浴びるようになったのは、19世紀半ばに横浜が開港されてからです。当時、横浜の居留地に留め置かれていた外国人は、自由に旅することは許されていませんでしたが、箱根までは何とか許可を得ることができ、馬やチェアと呼ばれる椅子型のカゴに乗ってやってきました。外国人がさらに訪れるようになるのは、明治11年(1878)に富士屋ホテルが開業されてからです。同ホテルは、外国人専用であり、国際観光地箱根と称されるその第一歩は、ここから始まりました。
標高420メートル。箱根山の中腹に位置し、箱根七湯の一つとして賑わいましたが、幕末以降、多くの外国人の逗留し、エキゾチックな雰囲気の温泉場となりました。その中心的存在の富士屋ホテルは、現在でも当時の重厚な雰囲気をそのまま残しており、箱根のシンボルの一つになっています。富士屋ホテル別館「菊華荘」は、元御用邸。また、骨董を扱う店も多くあり、外国人客が多かった時代を物語っています。
泉質 | 単純温泉、アルカリ性単純温泉、ナトリウムー塩化物泉(弱食塩泉) |
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源泉総数 | 21 |
泉温 | 24〜96℃ |
湧出量 | 1999L/min |
箱根宮ノ下温泉旅館組合長
太田亨さん(四季の湯座敷 武蔵野別館)
宮ノ下温泉の開湯は約600年前に遡ります。「温泉村」という旧村名の通り、古くから効能豊かな温泉が豊富に自噴していた温泉場であり、箱根七湯の一つとして広く知られていました。
そして、明治11年(1878)の富士屋ホテル創業以来、他の温泉場とは少し雰囲気の異なるエキゾチックな街並みが形作られていきました。
箱根の中腹にある宮ノ下までは箱根登山電車で車窓の景色を眺めながらいらしていただき、いまも異国情緒が残る街なかをそぞろ歩いたり、歴史を物語る太閤石風呂や小涌谷の千条の滝、"チェンバレンの散歩道“と呼ばれる堂ヶ島渓谷までの散策をお楽しみいただきたいと思います。
箱根滞在中に位置情報を利用し、
周辺にあるスポットを見つけることができます。