ロマンスカーを降りると、都会とは違う澄んだ空気と湿った木々の香りを感じ、川のせせらぎが耳に届きます。箱根の玄関口・箱根湯本駅は、土産店や飲食店がぎゅっと集まるにぎやかなエリア。商店街を歩き、ショーケースに並ぶ温泉まんじゅうや寄木細工の雑貨を眺めているだけで、旅のワクワクが高まっていきます。

駅前通りを少し歩くと早川にかかる「あじさい橋」に到着。川の流れを見下ろしながら橋を渡った先に、斜面に沿うように湯本富士屋ホテルが建っています。

あじさい橋での記念撮影や、自然をのんびり堪能したら、専用エレベーターを使って玄関口まで移動。あっという間にホテルに到着します。重い荷物があっても、たくさん歩かずに済むのは駅近ホテルならではの魅力です。

箱根湯本の街を歩いていると、自然と視界に入ってくるのが湯本富士屋ホテルの大きな外観。50年以上にわたり、この地で旅人を迎え続けてきたホテルは、まさに「箱根の玄関口のランドマーク」と呼べる存在です。

箱根登山電車や箱根登山バスなど、主要な交通手段へのアクセスもバツグンで、観光の拠点として理想的。チェックイン前から荷物を預けられるため、ロマンスカーを降りてすぐに荷物を預け、街歩きを楽しむ人も多いのだとか。

湯本富士屋ホテルは、2023年に創業50周年を迎えた節目の年に大規模なリニューアルを実施。特に注目したいのが、6〜8階に位置する和洋室フロアの刷新です。

「癒しを紡ぐ部屋」をテーマに掲げ、6階は木立を思わせる落ち着いた色調、7階は風の軽やかさを感じる淡いトーン、8階は山水を思わせる穏やかなグレーベージュと、フロアごとに異なる世界観へと生まれ変わりました。館内の細かな設備もアップデートされ続けており、歴史と新しさが心地よく調和した空間になっています。

エントランスを抜けると、まず目に入るのが広々としたロビー。天井が高く、明るく開放的な空間です。上質感のあるインテリアが並び、老舗ホテルならではの落ち着きと気品が感じられます。大きな窓の外には緑が広がり、華やかさの中にもほっとするような安らぎがあります。

ソファに腰かけてひと息つくと、「今日はゆっくり自分を甘やかそう」と気持ちがすっと軽くなるよう。これからの滞在がますます楽しみになる、やさしい時間が流れています。フロント横には観光マップやパンフレットが充実していて、「どこを巡ろうか」と旅の会話も自然と弾みます。箱根を知り尽くしたスタッフに、おすすめの場所を聞くのもいいですね。

チェックインを済ませたら、いよいよ客室へ。数ある客室タイプの中でも、特におすすめしたいのが2024年にリニューアルされた「本館和洋室Bタイプ」です。8畳の和室と23㎡の洋室がひと続きになった広々とした間取りで、ベランダやソファまで備えられた贅沢なつくり。仕切りのないレイアウトが心地よい距離感を生み、グループでの滞在にもぴったりです。

気分やシーンに合わせて自由に過ごせるのがこの客室の魅力です。たくさん歩いた日の疲れを和室で癒して、夜はふかふかのベッドでぐっすり眠れる。和洋室ならではの、いいとこ取りが叶います。

のんびり過ごす時間には、ホテルオリジナルのコーヒーをぜひ。客室には箱根の湧水を使った飲料水も用意されていて、そんな細やかな心配りもうれしいポイントです。そして、トイレとバスルーム、洗面台がそれぞれ独立しているのも、実はありがたいポイント。友人との旅行では「誰かがシャワーを使っている間に洗面台が使えない」「トイレとバスが一緒で不便」という小さなストレスが積み重なりがちですが、セパレート設計ならそんな心配もなし。支度の時間がかぶってもスムーズに過ごせます。

客室から見える景色も、湯本富士屋ホテルの魅力のひとつ。箱根湯本駅に出入りする電車を眺められる「トレインビュー」はお子さま連れだけでなく大人にも人気で、色鮮やかなロマンスカーが到着する時間は、つい窓辺に駆け寄りたくなるワクワク感があります。

一方、山側の客室では、朝夕で表情を変える箱根連山や、箱根湯本の温泉街の穏やかな景色が広がり、心がゆるむ静かなひとときを楽しめます。

ベッドは、世界的に人気の「サータ」や「シモンズ」のマットレスを採用。坂道が多い箱根では、観光後に疲れを感じることも少なくありません。その疲れを癒してくれるベッド。横になった瞬間、包み込まれるような心地よさを感じられます。深い睡眠へと導いてくれるため、翌朝の目覚めも軽やか。寝具へのこだわりは、翌日の箱根観光に備えたい人にもうれしいポイントです。

夕食にどのレストランを選ぶかも、湯本富士屋ホテルでの楽しみのひとつ。館内には、和・洋・中と幅広い料理を楽しめるレストランが揃っており、気分や好みに合わせて選べます。

季節の食材を丁寧に仕上げた和食が味わえるのは「日本料理 姫沙羅」。落ち着いた和の空間で、ひと皿ごとに季節の移ろいを感じられる料理が並び、旅の夜をしっとりと彩ってくれます。

洋食派には「フランス料理 ヴァンヴェール」がおすすめ。富士屋ホテルの味を受け継ぐクラシカルな洋食と、現代的なフレンチのエッセンスが出会った一皿は、見た目も華やかで、記念日や特別な日のディナーにもぴったりです。

そして、本格的な中華を楽しみたいなら「中国料理 桃華樓」へ。彩り豊かな前菜や香り高い点心など、シェアしながら楽しめる料理が豊富に揃っています。さらに、肩肘張らずに過ごせる「居酒屋 箱根路」では、地酒とともに味わうおつまみや定食など、旅先の夜にちょうどいい「ちょっと一杯」が楽しめます。

もちろん、夕食なしでの予約もOK。箱根湯本駅前の商店街へ出かけて食事を楽しむのもおすすめです。

朝食は、和・洋・中のメニューが一堂に並ぶブッフェスタイル。なかでも、ホテルで焼き上げるパンを使ったフレンチトーストや、ザーサイや揚げワンタンなどをトッピングできる中華粥など、やさしい味わいのメニューが人気です。

目移りして何を食べようか迷ってしまうほど魅力的なラインアップ。旅の一日の始まりを楽しくスタートさせてくれます。

滞在中に欠かさず楽しみたいのが、箱根湯本温泉のやわらかなお湯。大浴場「早雲」には広々とした内湯のほか、外気を感じながら浸かれる露天風呂も備えられており、湯船につかるだけで肩の力がふっと抜けていきます。箱根湯本の湯は肌あたりが軽く、なめらかな印象が特徴。アルカリ性の泉質で、湯上がりの肌がつるんと整うのも嬉しいポイントです。

女性大浴場にある約50℃の低温サウナ「トロンサウナ」も好評。遠赤外線の作用でじんわりと身体を温めてくれるため、一般的な高温サウナが苦手な方でも無理なく利用できます。熱さによるほてりや乾燥感が出にくく、水風呂に入らなくても心地よくクールダウンできるのも特徴です。「やさしく、軽く汗を流したい」というときにもぴったりのサウナです。

もう一つ注目したいのが、グループや家族でゆったり使える貸切風呂。全部で4室あり、最大5名まで一緒に入れる広さがあります。ベビーチェアなどの備品も用意されているため、小さなお子さま連れでも安心。事前予約はもちろん、空きがあれば当日でも利用できる柔軟さもうれしい点です。まわりを気にせず温泉を満喫したい方にぴったりのプライベートな湯浴みを楽しめます。

湯上がりラウンジは、2024年に誕生したばかりの癒しのスペース。大きな窓から光が差し込み、目の前には草木が穏やかに広がります。

湯上がりのぽかぽかとした体温を感じたまま、ふわふわのリクライニングソファに体を預けて外を眺めていると、まるで時間がゆるやかにほどけていくよう。

牛乳やジュース、アイスクリームの自動販売機もそろっているため、お風呂上がりのごほうびを楽しめるのもうれしいところ。汗が引くまでのわずかな時間も、友人と話したり、ぼんやり景色に浸ったりと、自分のペースでのんびりできるのが魅力です。カップルの待ち合わせ場所としてもぴったり。

多彩なお酒がそろうバーラウンジ「THE BAR」でオトナな一杯を

ロビーに隣接し、気軽に立ち寄れるバー・ラウンジ「THE BAR」。木の温もりが感じられる落ち着いた空間で、旅の夜にぴったりのくつろぎ時間が過ごせます。カウンター奥にはバーテンダーが立ち、国産ウイスキーやカクテル、ワインなど、幅広いラインアップから好みに合わせた一杯を作ってくれます。

ここでぜひ味わいたいのが、ホテルオリジナルカクテル「HAKONE VERT（箱根・ヴェール）」（2,000円／税込）。クラフトジンに、マスカットリキュールの爽やかさとパイナップルジュースの華やかさを合わせた一杯で、豊かな自然に囲まれた湯本富士屋ホテルの情景をイメージしてつくられたものなのだとか。香りと味わいが軽やかに広がり、旅の夜を鮮やかに彩ってくれます。

カウンターだけでなくテーブル席も用意されているため、2人旅はもちろん、3人以上のグループ旅行でも利用しやすくなっています。友人と語り合うのもよし、ひとりでしっとりとグラスを傾けるのもよし。旅先の夜ならではの、静かで満ち足りたひとときを味わえます。

さらに、17:00〜19:00のハッピーアワーでは、ソフトドリンクが700円→500円（税込）、ビール（330ml）が1,200円→800円（税込）になるなど、お得に楽しめるサービスも。夕食前に軽く一杯だけ、という過ごし方も気軽にできます。

ロマンスカーで気軽にアクセスでき、箱根湯本駅で降りてすぐの湯本富士屋ホテルにチェックイン。開放的な空間においしい食事、心地よい温泉、リニューアルした客室、夜のバーや湯上がりラウンジ。そのすべてが、旅の出発から帰り道まで心をやさしく満たしてくれます。次の休日は、ロマンスカーとともに、このホテルを拠点に、自分たちらしい箱根の過ごし方を見つけてみませんか？